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【書評】ワンクリック

ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAMAZONの隆盛 

久しぶりの書評を書きます。その本の名前はワンクリック。AmazonのCEOであるジェフべソスのことを書いた本です。この人がAmazonを立ちあげて、今や世界で最も有名な企業となった軌跡を書いた本。同時期に会社を立ち上げて、見事に失敗した僕がこの本を読んで思ったことを書きます。

前にも書きましたが、IT業界の隆盛を見てみると、カリスマに率いられた企業が強いということがわかります。Microsoftであればビル・ゲイツ。Appleであればスティーブ・ジョブズ。Microsoftはビル・ゲイツが引退すると、一気にダメになった。Appleもスティーブ・ジョブズ亡き後はほころびが生じてます。この2つの企業の失敗は、やはり後継というものをカリスマが考えなかったということだと思うね。この点は日本の企業の方が優れていると思う。

で、このワンクリックの主人公であるジェフ・べソス。彼について書いた本ですが、カリスマが持ちうる他人よりも違う点がやはりあって、

「アマゾン・ドット・コムを使いやすくするためなら、ジェフ・べソスはどんなことでもするのだ」

という点です。ここで重要なところは、サイトを使いやすくするということであり、実は我々のようなウェブサイトを構築を手がけているものにおいては、最も力を発揮しうる部分だということなのですよ。

使いやすさというのは、どういうことかといえば、一番重要な点はユーザーに負担をかけないということなのです。このことをよくわかっているのは、スティーブ・ジョブズであり、このジェフ・べソス。スティーブ・ジョブズについては彼の伝記を読んで貰えば、わかるように彼はシンプルということに信奉者で、それが僕はインターネット時代にマッチしたこともあって、iPhoneとかiPadなんかがヒットしたと思ってるのです。

Amazonの場合は、顧客第一主義すぎて、社員が結果的に労働状況が劣悪であるという噂を聞いたことがありますが、この本にもそういうことが書いてはあります。ただ、従業員の人には申し訳ないけど、Amazonの使いやすさを我々は甘受しているので、その道を極めてもらいたいものです。

この本にもジェフ・べソスのインタビューにもあるけれども、Amazonで心がけている事は3つあって

  • 品ぞろえ
  • 利便性
  • 低価格

は、Amazonは意識しているということで、これは小売という点でユーザーにとっては、ユーザーに負担をかけないという点では今の時点で理想的だと僕は思うのです。

品ぞろえという点では、Amazonにアクセスをしてくるユーザーは、Amazonにはないものはないと思って来てるわけであって、それが売ってませんということだとサイトのブランドが下がる。

サイトの使い勝手が悪ければ、買い物もしづらいし、この点でもブランドが下がる。楽天がいまいちうまくいかないのは、使い勝手が悪いということです、あらゆる点で。

低価格という点も、ユーザーの財布に負担をかけないという点でもいいし、今のユーザーはネットを使ってどこが安いかとチェックして買い物をするわけで、その点あるデジカメがAmazonが一番安い!ということになると、一気にブランドが上がる。

このようにジェフ・べソスという人物は、ブランディングというものをものすごく意識をしている。というのは、インターネットは巨大なネットワークですから、良い評判も悪い評判も一気に伝わるという即効性があり、それを僕は最も理解した上でサイト上で実践しているという印象なのです。ブランドが下がれば売上も信用力も下がるということです。

サイトの使い勝手という点であれば、例えば、なにか音楽を探していて検索のところにキーワードを入れると、入力している途中でサジェスト機能で自動的にキーワードが出てくるし、その該当のキーワードで検索すると、検索結果が表示され、該当したものをクリックすると新しい別画面が表示されるような仕組みになってる。これは、Amazonの方で別画面が表示した方がユーザーにとって便利だろうという配慮ですからね。この別画面が立ち上がるという点がとても重要ですよ。

あとAmazonがユーザーサポートにはできるだけユーザーが行かないようなサイトであり、サービスを心がけているというのは僕はなるほどと納得してしまったりしてるわけです。例えばソフトウェアの使い方がわからずに、ソフト会社のユーザーサポートに連絡を入れるとしますよね。この場合にユーザーにとって大きな負担としては

  • 使い方がわからない→ユーザーのストレス
  • 電話を或いはメールでいちいち状況を説明しないといけない→時間の浪費
  • 電話で聞いた場合の通話料金→ユーザーの財布への負担

といったように、思いつく場合でもこれだけユーザーに対して負担を強いるものだ。Amazonの場合は、そうならないようにサイトの使い勝手やサービスを考えているということで、これはさすがだと思いました。この部分は、Googleのサービスにも通じるところはあります。

そういう顧客への負担を減らそうという努力が結びつき、Amazonは世界で最も利用されている通信販売のサイトになったのは、自明かなと思ったりします。つまりブランド力がものすごく上がったということです。

そうなるとどうなるかというと、例えば僕などは、Androidに対して反感を持ってます。それはセキュリティの点でも、個人情報が平気で流出するような無責任極まりないOSだと。

ところが、Amazonが提供するAndroid端末であるAmazon Kindleだったら、買ってもいいかなと思っちゃうのは人間の心理だと思うのです。これはAmazonに対する信頼感ということです。Kindleは発売されたけど、楽天koboと比べてそんなにケチはつけられてないですよね。それは信頼性の問題だと思うわけです。

いまやIT業界にはカリスマの匂いを感じさせるのは今のところジェフ・べソスくらい。僕も同業界に属している身としては今後も注目していこうと思っています。

一応目次を紹介しておきますね。

第1章 ワンクリックではまだ不満
第2章 生い立ち
第3章 就職
第4章 ベゾス、インターネットを発見する
第5章 ガレージの4人組
第6章 優れた書店の作り方
第7章 苦労の波
第8章 軍資金の調達
第9章 成長
第10章 書店とは誰のこと?
第11章 クラッシュ
第12章 ベゾス、キンドルに賭ける
第13章 アマゾンは書店を駆逐しつつあるのか?
第14章 おかしな笑い方をするクールな男
第15章 では、ベゾスはどういうマネージャーなのだろうか
第16章 頭をクラウドに突っ込んで
第17章 一歩ずつ、果敢に
訳者あとがき
解説
参考文献
年表

ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAMAZONの隆盛
リチャード・ブラント
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