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楽天VSアマゾン

週刊ダイヤモンドが面白い企画を組んでいて、オンライショップモールとして楽天とアマゾンの比較記事です。マーケティングを生業としている僕としては、この両社の比較は実に面白い。これにリクルートがオンライショップモールの出展をはじめるので、この3社がこれからどうなるかというところが面白い。

現状から言うと、楽天がアマゾンよりも優れているのは、品ぞろえだけで、それ以外はどの分野でも楽天はアマゾンの足元に及ばない。僕は正直言って外国人なんて大嫌いだけど、サイトの理念と目指しているところは、楽天よりもアマゾンのほうが高尚なのです。

じゃあ、どういうところがアマゾンは高尚なのかというと、立ち位置がユーザーに目を向けているということです。楽天はユーザーよりも出展者に顔を向けている。それはサイトを見れば一目瞭然で、商品を探すという点で比較をしてみます。

まず楽天で「iPad mini ケース」で検索してみますと、検索結果はこちらになります。

この検索結果をみると、上位の5項目が広告です。よく見てみると、

  • iPad miniに関係のない広告が出ている
  • しかも検索結果が1万件以上もあり
  • 結局ここで自分なりにソートをしないと自分の欲しい物がない

というように、ユーザーに負担をかける仕組みになっている。

ここからサンプルとしてこちらを表示させてみると、この商品を買おうとするために12回スクロールしないと、購入ボタンを押すことが出来ない。これは実に不便だと僕は思うのです。

じゃあ、一方でアマゾンの場合はどうかというと、
同じように「iPad mini ケース」で検索してみると、その検索結果はこちらです。

この検索結果をくまなく見ると、左側のメニューでソートが出来るような仕組みになっていて、広告も一番最後にある。当然です。サンプルとして個別のページを表示させると、右側に購入ボタンが配置されていて、すぐにでも買うことが出来るようになっている。

インターネットで大事なのは、インターネットが便利なものであるということをコンテンツに含めるということなのです。それはどういうことかというと、できるだけユーザーに負担をかけさせない工夫ということなのです。その負担というのは、サイトの使い勝手あったり、ユーザーの心理的負担であったり、金銭的負担であったりするわけで、その企業努力をどっちがしているかというと、これは圧倒的にアマゾン。

この涙ぐましい努力は、例えばKindleで儲けようと思っていないという姿勢もそうです。これは、とにかくアマゾンを使ってもらうようにする。アマゾンはそこで儲けるというスタンス。

11月にオンラインストレージサービスAmazon Cloud Driveをアマゾンは始めましたが、100GBで4000円というのは安価と言わざるを得ない。ちなみにアマゾンは法人向けにホスティングサービスをしているので、実はネットセキュリティでもかなりの企業なのですが、その企業が提供するサービスだから、これは信頼におけると言ってもいい。

ちなみにこの価格がどれだけ破格かというと、トレンドマイクロのSafeSyncが年間14,800円、AppleのiCloudが50GBで8,000円で、いかにアマゾンクラウドサービスが安価であるかがわかります。これも発想としては、アマゾンというサイトを利用してもらうということで、企業の姿勢は一貫しているのです。

このように見ていると、ユーザービリティという使い勝手という点で考えると、アマゾンはあまり隙がない。一方で楽天は先程書いた通り、隙だらけなので、僕がリクルートの担当者だったら、楽天の不便なところをピックアップして、その真逆のことをやるね。あとは資金力は、リクルートは潤沢ですから、そこから戦略的に広告やプロモーションを展開すれば、いくらでも対応できる。

このダイヤモンドを読むと、リクルートは楽天の出展者に営業をかけているらしい。楽天の出展の仕組みはものすごく費用がかかるから、そのあたりを低価格で責めているようですが、大正解だと思う。

ちなみにアマゾンと楽天は電子書籍リーダーでも戦っている。アマゾンは言わずと知れたKindle。こちらは注文が殺到しているようで、今注文をしても来年の納品ということになっている。一方で楽天koboは、初代リーダーだと、ヤフオクでの落札価格が3,000円ということで当初の半値になっている。このスクリーンショットを見てもらえばわかるけど、3,000円を越えるともう売れない。

ダイヤモンドを見るとハードのスペック的にも取り扱いの書籍の量にしても、Kindleもkoboもほぼ同じような状態。ところが、Kindleは品薄状態だけど、koboはすでに投げ売り状態になっている。これはひとつの要因として、koboの場合は後継機種がすぐ出てしまったというところはあるけど、もうひとつは、koboが発売当初不具合が続出して、実に使いにくい状態であったということ、それに対して三木谷さんがそんなことを騒いでいるのはごく一部だという強気の発言もあったことで、楽天のブランドが遅らしく低下したところが大きい。

この三木谷発言は、僕が以前このブログで取り上げていますが、

このように自分が今どういう状況にあるかということを、全く意識していない発言であり、そういう発言はビートたけしさんの本「間抜けの構造」によると実に間抜けであり、結果的にブランドが大いに低下したということだと思うのです。これは、自分が発言をした時にどれだけの反応があるのかということを、頭に入れないで発言しているということは、楽天の社長としてはだめでしょうということですね。結果、koboが発売されると楽天は袋叩きになった。

このインターネットでビジネスをやる場合には、このブランド戦略をしっかり考えないと確実に失敗する。それはどうしてかといえば、インターネットの情報の伝播力のスピードは実に早くて、それがいい情報であろうが悪い情報であろうがすぐ伝わります。インターネットには、TwitterやFacebook、ブログといったメディアがありますから、いくらでも伝えられちゃうのです。

ということは、自分の評判が下がるようなことはしないほうがいいというのは当たり前のことで、ウェブサイトでもサービスにしてもそういう部分を気を使わないといけない。GoogleやFacebookがインターネットの覇者になり得たのは、そのあたりの機微をよく知っていたから。逆にそのあたりを全く対応しなかったMicrosoftが一気にダメになったのはそういうところに大きな要因があるわけです。

最近の楽天の動きを見ていると、介さなくてもいいところに人を介してしまって、結果的に無駄な事になってしまっている感じがするし、三木谷さんが偉くなりすぎちゃってるので、下の動きが官僚的になってしまってる。それは今年の夏のkobo騒動を見ていると、三木谷さんの覚えがめでたければいいというような状況。これはソフトバンクにも通じることだけどね。昔のダイエーの中内さんに似てる感じがします。

楽天が更に飛躍をするのであれば、足元を変えて行かないとこれ以上の飛躍はないような気がするし、三木谷さんには成功者が見せる傲慢さを感じるのです。

 

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