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ブランドについて考えてみるーツール編koboとkindle

パソコンにしても携帯電話にしても、開発して売る方として一番ありがたいのは、ユーザーがそれを購入するときに値崩れしていないということだ。それは価格が崩れるということは、その会社のブランドが低下するからだ。

もちろんそれが低価格を標榜しているのであれば、それはそういう会社だからしょうがないというユーザーの認識もあるから問題ない。問題なのは当初10万円だったものが9万円になり、いつの間にか5万円になってしまったというケース。ユーザー側から言わせると、ズルいじゃんということになりますし、メーカーの方でも価格が維持できなくて利益率も下がってしまう。

日本のパソコンメーカーは結局DELLやHP、台湾メーカーが低価格路線で進んでいるから、結局日本のメーカーもそれに引きづられちゃっている。ということは、我々がWindowsのPCを買おうということになったら、どこで買ってもおなじなのです。前はVAIOがいいとか、東芝のDynabookがいいというのがあったけど、今はどれ買っても同じだから、だったら安いほうがいいじゃんということになってると思うんですよね。VAIOなんて昔50万円のノートを買ったことがあったけど、あの時はすごく満足感がありましたよ。そういう努力を日本のPCメーカーはしてない。ああ、このPCを所有したいなというものが見えてこない。

一方でMacは値崩れしていない。我々も基本的にはどこで買っても同じ価格だ。Mac自体が昔のように法外な価格ではないということもあるし、スティーブ・ジョブズの様々なイノベーションでブランドが確立したことで、小売がAppleにどうか売らせてくださいという関係を作ったことが大きい。こうなると、余程のことがない限り価格は下がらない。

こう言ったハードの価格の実勢価格は、ヤフオクとかでチェックすると大体の流通価格がわかって面白い。最近だと電子書籍リーダーのAmazonのKindleと楽天のkobo。結論から言うと、koboはものすごく値崩れしてるのですよ。普通に買うとkobo gloは7980円。

ヤフオクでチェックしてみると、6200円ではもう売れない。5700円ちょっとで入札されている。ということは、最終落札価格は6000円弱だと想定される。と言うことは、6000円をわらないと売れないということです。Kindleの場合は、中古とふざけたものしか出品されてない。このふざけたものというのは、販売価格よりも高い価格で売りに出されているということで、これは売れませんね。というか、どういうセンスをしてるのんだろうと思います。まとめると、Kindleの場合はユーザーの評価がkoboよりも高いということが言えます。実際に僕もkoboが出た時にすぐに買いましたが、友人に譲ってしまいました。

逆にKindleの場合は、先日も友人が海外に短期留学をするということだったので、お餞別のため購入して、それを渡すときに見せてもらったのですが、ハードとしてすごくかっこいい。また、僕自身もiPadにKindleアプリを入れて、実際に本を購入して読んだりしているので、非常に使いやすいということはわかるのです。

この2つのハードにこれだけ大きな差が出てしまったのは、一番大きいのは楽天の対応のまずさ。もともとkoboは使いにくい上に、全くコンテンツが揃ってなくて、価格だけが先行していたということもあり、そこでものすごく叩かれたんですよ、ユーザーから。

ところが、これらの批判をめぐって、三木谷さんが文句を言ってるのはごく一部の人間だけだとユーザーを揶揄し、楽天にこれはひどい!という書き込みを隠蔽し、関係者と思われる人の礼賛のコメントしか表示させないようにした。これは、それこそ言論統制だし、最近で言えばステマをやってしまった。楽天が馬鹿なのは、どういうことをやっても底が知れちゃうということがわかってない。つまり、それがやらせであるということがみんなにわかってしまうということであり、消費者は楽天が思ってるほど馬鹿じゃないのですよ。でも、楽天は消費者は馬鹿だと思っている。そのギャップが問題。

以前食べログがステマをしてしまった時に大騒ぎになり、食べログの信頼性が一気に落ち込んでしまった。それと同じ事を楽天はやり、それがSNSやブログなどで広く伝播されてしまったということで、これがまだ後を引いている。

Kindleの場合は、もともと電子書籍の実績があったということもあるけど、一番良かったのは楽天がkoboをめぐりめちゃめちゃなことをしているのを見ることが出来たので、次の対策を打つことができた。そういう機微を見極めるのは、アマゾンのジェフ・ベゾスという人は得意な分野ですから。

楽天は日本で最もネットで成功した会社なのに、このようにブランドということに実に鈍感なのです。それこそ会社の公用語を英語にするということにして、入社式で日本人同士が発音の悪い英語を喋っている。きちんとコミュニケーションが取れないんじゃないかと僕は思うのです。

余談ですが、100年以上前に日本と清が戦争をしましたよね。いわゆる日清戦争。これは日本が圧勝したわけなんだけど、一方で清が自ら負けてしまったというところがなくもない。それは組織が老巧化してしまって、官僚的になってしまったというのが最大の要因なんだけど、その一つのサンプルとして、軍隊での用語が英語であったために、戦争遂行をする際に将官と兵士とのコミュニケーションが上手くいかなかったということがあげられます。つまり、将官は英語がわかっていても、実際に弾を撃ったりするのは兵士なわけで、その兵士が英語が通じないということもあったということを何かの本で読んだことがあるのです。

以上のように、同じ電子書籍でこれだけ大きな差が出来ちゃっている。ソニーのリーダーに至っては全く問題外。誰が買うんだろうって思う。

結局今後何を商売するにしても、やはり評判というものを意識、或いは評判というものを自ら作っていくというようなことをしていかないと、商売は絶対に失敗します。それは何故かといえば、この世の中のマーケットというのは、作り手が作っていくものではなくて、参加者が作っていくものだからです。それはインターネットによって情報伝達が、非常に早く広範囲で伝えられるからです。それを無視すると、参加者からしっぺ返しが返ってくる。

先ほどのヤフオクの価格というのも、これも中古品の場合は、既に価格を出品者が決めるのではなく、買う側が決めているという時代になっている。買う側が決めるからものすごく安いということではなくて、中古品として適正な価格で取引されるということです。逆に言えば、価値自体も我々ユーザーが決めるようになってきたということで、売る側も我々が納得出来るようなものを決めて行かないと、総スカンを食らうでしょう。そのくらいブランドというものは僕は大事なんだと思っています。

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