0 Shares

役者の「格」について

最近「あまちゃん」を見てて思うのは、NHKの新人発掘力というものがやっぱり民放と比べると相手にならないくらいレベルが高いと思うのです。つまり、どういうことを言っているかというと、あまちゃんというドラマが実にレベルの高いドラマなんだけど、その中心にいるのはヒロインの能年玲奈さんであり、よくこんなピュアな人を見つけてきたなと思うのです。

もっとわかりやすく言うと、能年さんという女優さんは、そんなにキャリアのある人ではないし、共演している橋下愛ちゃんの方が2歳ほど若いですけれども、彼女のほうが女優という実績はあるし、17歳とは思えない雰囲気を醸し出していると思うのですが、ヒロインをやれるかというと厳しい。

ヒロインをやるということは、NHKには当然ノウハウというものがあると思うのですが、能年さんはあまちゃんのオーディションを受けて見事にヒロインの役をゲットしました。ドラマが半分以上過ぎましたが、よくもまあこんな天才をヒロインに登用したなあと本当にびっくりしてるんです。

能年さんという若い女優が、結局キョンキョンや薬師丸ひろ子、宮本信子などすごい人たちと共演をしているけど、全く負けてない。存在感という意味ではヒロインという役柄以上に彼らを凌駕しているというところがあります。

ある本で読んだのですが、このヒロイン役に天野春子の若いころを演じている有村佳純ちゃんもオーディションに挑戦したそうですね。彼女もとてもかわいい女優さんだけど、能年さんとは格が違う感じがするのですよ。

この「格」と言うのは、天性のものなのかどうかわかりませんが、普通の人には持ち合わせてないと思うのです。例えば、ベテランでいうと、高倉健さんと吉永小百合さんは完璧に別格です。存在感、雰囲気といい、他の俳優さんよりステージが高いところにいる気がする。共演している俳優さんの対応とか見ても、やっぱりなにか違う。

もう少し年齢が落ちてくると、僕は渡辺謙さんはすごい俳優さんだと思うのです。いろいろな役をやっているけど、僕としてはラストサムライの謙さんはカッコ良かったし、あの役で彼は日本でもトップスターの位置を完全に固めた。それまで大河ドラマの主役を張っていたたこともあるけど、ちょい役も多かった。ところが、ラストサムライの好演で一気に大俳優になった観があります。人間って何がきっかけで飛躍するかわからないものです。

30〜40代だとあまりいないんですよね。格が高い人というのは。木村拓哉とモックンがそうかなというところもあるけど、彼らの場合は出身母体がジャニーズというのは、結局役者としてのブランドを落としている感じがするね。モックンの秋山真之はカッコ良かったですけどね。ただ、NHKは俳優として木村拓哉は使わない。というか、SMAPが役者として使われたというのは、昔新選組!で香取慎吾が近藤勇を演じたことくらいかな。このドラマで慎吾の株よりも土方を演じた山本耕史の株がおもいっきり上がりました。

20代になると女優さんで宮崎あおいちゃんと井上真央ちゃんが別格だと思います。宮崎あおいちゃんは、篤姫で好演しました。何かのインタビューで篤姫を演じている時に、本人が乗り移ってきたので、役になりきれたというのを聞いたことがあります。アタリマエのことだけど、真剣度というか没頭度というのが我々凡人とは違うなと妙に納得した記憶があります。彼女は彼女が所属するプロダクションが、宮崎あおいのブランドをしっかり考えているというのも幸せだったと思うね。変なドラマには出さずに、基本は映画と言うのはすごく良かったと思うし、これからもそういう路線で進んで、女優道を極めてほしいと思ってます。

井上真央ちゃんに関しては、デビュー当時はあんみつ姫(すごく似合っていたけど)みたいな役をやってたけど、おひさまで大飛躍をした感じがしますね。彼女がおひさまに主演した年というのは、おひさまのヒロイン、八日目の蝉のヒロインと全く真逆の人物を演じなければいけなくて大変だったそうですが、それを見事にやり遂げて、ただ可愛いだけの女優じゃないということを証明したのはすごい。僕は井上真央ちゃんのことはオタク的なほど好きなんだけれども、おひさまとか見ていると眼力(めぢから)は半端じゃなかった。今や、彼女は映画をメインに活躍をしていますが、大正解だと思うし、もっともっと成長してほしい。

あまちゃんの能年さんは、この二人の路線だと思うのです。ヒロインとしての存在感が半端じゃない。年齢的なこともありますが、宮崎さんや井上真央ちゃん以上にピュアさがあるんですよね。これは完璧に天性なもので、あまちゃんのベテラン俳優の人たちは、誰もが能年さんのことを天才だって言いますね。僕も見てて、普通じゃないなと思ってみてます。つまり、どういうところが普通じゃないのかというと、おそらく宮藤官九郎さんやプロデューサーの意図を汲み、それ以上のものを表現しているというのは、見ててわかる。

能年さんが大女優の匂いがするなあと思ったのは、先日CUTという雑誌にあまちゃんの特集が組まれたのですが、そこで写真を撮られている能年さんの表情というのが、やはり一般人ではなかなか出来ない表情なのです。最初、これ、能年さんなのかなと二度見したほどすごく彼女は変化しているんですよね。そこも女優魂が感じられて素晴らしい。

願わくは、今後あまちゃんが終わると能年さんにはものすごい数のオファーが来ると思うのですが、事務所は大事に育ててほしい。先日、純と愛の夏菜がプレイボーイにグラビアを掲載してました。事務所もダメだと思うですよね。いくら純と愛というドラマがダメだったからと言って、朝ドラのヒロインに今更グラビアを出しても、ブランドが低下するだけです。夏菜のプロポーションがいいのはわかるけど、彼女の場合は、結局演技力が買われなければいけないのに、プロポーションが優先されちゃってる。こんな状態だと後何年も経ったら、朝ドラヒロインが衝撃のヌード!ということになりかねない。それはダメだと思います。そうなると実に惨めだと思う。

ただ、「格」という点から考えると、夏菜は宮崎あおいや井上真央ちゃんとは同格にはなれないし、能年さんと比較しても厳しい。格の違いを感じるんですよね、可愛そうだけど。ちなみに満島ひかりもおひさまでブレークしたと思うけど、女優としても既に主役を張れる女優さんだけど、格という点から見ると、井上真央には勝てないんですよね。この辺りの格の違いと言うのは、天性なのかなと思う。

今から考えると、薬師丸ひろ子が「野性の証明」で登場してきた時、今まで違う人が出てきたというイメージがあったし、当時の角川事務所がものすごく彼女のことを大事にしたという記憶がある。僕の知り合いも彼女のことが好きで、薬師丸ひろ子がセーラー服を来ている写真集をもっていたという記憶があるんですよね。結局この角川のやり方は大成功で、見事にカリスマ性のある女優になった。今回も能年さんと薬師丸ひろ子は共演しているというのはある意味偶然じゃないような感じがするね。

能年さんの場合は、あまちゃんで相当メジャーになったので、映画中心で頑張って欲しいとおじさんは思うのです。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう