2016/06/060 Shares

花燃ゆの低視聴率の原因は脚本にあり

花燃ゆ
(C)NHK大河ドラマ「花燃ゆ」

5月31日に放映された花燃ゆ「妻と奇兵隊」の視聴率が発表されて、11%ということで、前回の10.8%から微増ですが、出演しているキャスティングを見てても、全然低い数字で、本来だったら20%あってもおかしくない。

花燃ゆはあまりにもストーリーが面白くない

僕は井上真央ちゃん推しですし、幕末の長州をどう表現されるのかということも本当に花燃ゆは楽しみにしていたのです。ただ、ずっと2ヶ月ちょっと見てきましたけれども、脚本自体が面白くないので、今の脚本を一掃しない限りは、これはもうちょっと浮上しないだろうと思うのです。ネガティブな意見で申し訳ないのですが、あまりにもNHKの対応が駄目すぎて、救いようがないという感じがしてるんです。

話が面白くないけど、役者は頑張ってる

役者は熱演してますよ。特に低視聴率の元凶みたいな事を言われている井上真央さんですが、彼女の演技が一番素晴らしい。本当に熱演をしているし、役者としては精一杯頑張っているというのは、見てて分かるんです。それに始まる前は、チーム「篤姫」とチーム「おひさま」が合体したのが、今回の「花燃ゆ」でしたから、すごく期待をしたんです。「篤姫」は大河ドラマとしては最高傑作だと僕は思いますし、「おひさま」も朝ドラでは相当レベルが高い。この2つが合体すれば、つまらないものが出来るわけ無いと思ってましたが、まさか一番大事なストーリーがつまらないというのは、さすがの僕も思いつきませんでした。

役者たちがどれだけ頑張っているのかと言えば、花燃ゆのFacebookページを見ると、よくわかります。彼らの熱演を壊しているのが、脚本なんですよね。とりあえず、ご紹介します。https://www.facebook.com/nhkhanamoyu/photos/a.356616924486527.1073741828.351038135044406/497669553714596/?type=1

 

NHKはある意味壮大な実験をしていると言ってもいいです。つまり、築地の一番美味しいお寿司屋さんにいって、そこで一番いいネタのお寿司を醤油をつけずにとんかつソースをつけて食べさせるようなことを花燃ゆではやっているんです。つまり、役者はいい役者が揃っているのに、役者も頑張って演技をしているのに、さらにいうと、日本の歴史においても一番おもしろい時期を舞台にしているのに、ストーリーが台無ししているということなのですよ。美味しいものをわざとまずくしているという感じなんです。でも、テレビは面白さが命なのに、わざわざ敢えてつまらなくしているのか、わからないんですよね。

映画はストーリーを重視しているのに、NHK大河ドラマは何故かオリジナルにこだわる

よく考えてみると、映画にしても、面白いマンガや小説が映画化されるということはよくあることですよね。映画化される漫画や小説は、面白いから、映画の素材に合っているから映画化されると僕は思ってるんですね。今回、僕がハマっている「海街Diary」にしてもマンガ大賞受賞してるんですよ。それは何故受賞をしてるのかと言えば、面白からなんです。つまらなかったら、賞なんてもらえません。

ところが、NHKの大河ドラマは何故かオリジナルストーリーにこだわっているんです。ここ数年で言うと、龍馬伝以降はすべてオリジナルです。列挙すると

  • 龍馬伝
  • 江~姫たちの戦国~
  • 平清盛
  • 八重の桜
  • 軍師官兵衛

です。この内、面白かったのは、軍師官兵衛だけで、後は全部ダメでした。それはそうですよね。結局、いい脚本家が脚本を書いたとしても、彼らの仕事は原作を肉付けするだけで、ストーリーを作る能力はないわけです。特に歴史ドラマに関しては、その時代に対する深い理解というものが必要なんだけど、そういう感じは全くしないですよね。小説家は面白いストーリーを作るのが仕事ですから、売れっ子の作品が面白いのは、ストーリーが面白いからなんです、アタリマエのことです。

それとドラマの題材として取り上げる人物にしても、これらの作品の中で、龍馬や清盛は有名だけど、黒田官兵衛は知る人ぞ知る、優れた軍師だったし、官兵衛に関する本はたくさんあります。

無名には無名の理由がある

でも、江にしても、新島八重にしても、無名です。どうして無名なかといえば、歴史においてなにもやってないからという、当たり前の事なんです。新島八重にしても会津戦争で薩長を中心とした官軍に対して、戦ったということで、たまたま女性として男勝りなところがあっただけで、これによって会津が救われたとかそういうことは全くないわけです。だから、歴史において無名の理由というのは、明らかで、歴史的に何もしてない以上、名前は後世にそんなに伝わらないんです。一方で、篤姫に関しては、その人生が数奇であったことや、体を張って江戸を火の海から救ったということを発見した宮尾登美子さんが歴史小説家として、素晴らしい仕事をしたということなんです。

ところが、花燃ゆにしても、杉文は、吉田松陰の妹で、久坂玄瑞の妻だというだけで、彼女が何をしたかというと、特に何もしてないんです。ただ、内助の功はあったかもしれませんけれども。彼女が歴史を動かすとかそういうことをしなかったというよりも、当時は男性社会だから、出来なかったというのが相応しいです。だから、今の花燃ゆを見てても、ずっとおにぎりを握っているだけの女性でしょう。そういう人はヒロインにはなりえないと思うのです。だったら、もう少し視点とか考えてやるべきなのに、そういうこともしない。おそらく、原作を書いてる人や脚本を書いている人は歴史のことがわかってないということだと思うのです。

また、無名の人物ということから、その人に関する資料がないわけで、そうなると、ストーリー自体はこじつけにならざるを得ない。そこが勝負の分かれ目で、ここで面白いストーリー展開になるか、ならないかは、ストーリーを作る人達の腕です。ところが、花燃ゆの場合はオリジナルのストーリーですから、少なくとも売れっ子作家並みの創作力がないと、面白いものが出来るはずがないんです。

ストーリーに関係ないエピソードにこだわる花燃ゆ

くだらないエピソードは、使ったりするんです。例えば、北大路欣也さんが演じる毛利のお殿様。何かというと、「そーせい」と言ってますよね。これは当時の毛利敬親公のくちぐせで、なにかいい意見を聞いて、これはいい!とおもうと、「そーせい」といったそうです。だから、毛利敬親公は「そうせい侯」と揶揄されていたというのは有名な話です。あとは、徳川家茂が上京した際に、高杉晋作が「いよ!征夷大将軍!」と声をかけたシーンもありましたが、あのシーンも高杉晋作の天才ぶりを描かないといけないのに、そういうエピソードをそのまま使ってるだけで、はっきり言って頭を使ってないなあというのが見てての印象です。花燃ゆを見ていると、そういう小さいことを大事に使っているところがあって、そういうところよりもむしろ大局的な歴史の捉え方をしないから、ドラマ自体もちまちましてる感じがします。

これからどんどん重要人物がなくっていくこれからの展開が心配

今後のことを考えると、どうするんだろうと僕は心配になるんです。例えば、副主人公でもある久坂玄瑞は蛤御門の変で長州が大敗をした責任を取り、自害するのが1864年。もう一人の副主人公である高杉晋作は1867年に病死します。大政奉還が1868年にあり、戊辰戦争が始まって。。。というと、今でてる人たちはほとんど死んじゃうんです。生き残るのは、メジャーどころだと、桂小五郎と伊藤博文。品川弥二郎も生き残りますが、前原一誠は1876年(明治9年に)萩の乱を起こし、桂小五郎に処刑されます。

あと、生き残るのは、小田村伊之助、のちの楫取素彦ですが、彼だって、若い後輩に追い越されちゃうわけです。身分的にも、役職的にも。一番いい例が、百姓出身の伊藤博文は、結局日本初の総理大臣となり、身分的なもので言えば、公爵になります。公爵と言うのは、華族制度では一番上ですからね。公爵になったことで、例えば、島津や毛利、徳川とも身分的にはどう核になったわけです。楫取素彦については、結局男爵までしかなれなかった。それは、桂小五郎や伊藤博文らと比べたら、実績を残してないからということだと思うのです。NHKは初代群馬県知事ということをアピールしているけれども、すごい!という高揚感は全くないんです。

八重の桜にしても、京都編で一気に緊張感がなくなりました。それは同志社の設立が中心となって、いわば新島家のファミリーストーリーに終始してしまったからです。花燃ゆにしても、ものすごく地味な楫取素彦がどのように維新後の明治時代を生きていくのかということが描かれるんでしょうけれども、実際の其の時代の中心になっていくのは、楫取素彦の後輩である伊藤博文や山県有朋だったりするわけで、そういう中で楫取素彦にどういう光を当てていくのか、全くイメージが出来ません。

解決策は司馬遼太郎さん作品を取り入れるしかない

この幕末時代の歴史小説家でダントツなのは、なんだかんだ言っても司馬遼太郎さんしかいないと思うので、彼の作品のエッセンスを取り入れるしかないと思うのです。僕の方でご提案をすると、
大政奉還まで

合本 世に棲む日日(一)~(四)【文春e-Books】
文藝春秋 (2014-12-12)
売り上げランキング: 1,629

薩長同盟と大政奉還

合本 竜馬がゆく(一)~(八)【文春e-Books】
文藝春秋 (2014-12-12)
売り上げランキング: 1,950

戊辰戦争

花神(上中下) 合本版

花神(上中下) 合本版

posted with amazlet at 15.06.04
新潮社 (2015-06-05)
売り上げランキング: 2,734

明治維新後

合本 翔ぶが如く(一)~(十)【文春e-Books】
文藝春秋 (2014-12-12)
売り上げランキング: 2,391

この辺りは当然読んでると思うのですが、重要なイベントをもう少し取り込んだほうがいいです。台場を女性が作ったというエピソードは全く必要ないです。花燃ゆのポスターも変わったということもあり、期待せずに注視していこうと思います。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう