2016/11/110 Shares

リスペクトされる企業の機会をまた失ったユニクロー「UTme!(ユーティーミー)」騒動

ユニクロがスマホのアプリを使って自分のオリジナルTシャツを作る仕組み「UTme!(ユーティーミー)」を発表したのですが、著作権はすべてユニクロとやって、大いに批判されて、一日で撤回をしてしまった件で、ユニクロはリスペクトされる企業の機会を逸してしまいました。もったいない。

「UTme!(ユーティーミー)」のコンセプトは素晴らしい

この仕組、コンセプトは実に素晴らしい。
YouTubeの動画にもあるけれども、自分でデザインをしたTシャツをスマホで作る。スマホをシェイクするといろいろな効果ができて、本当に面白いと思うのですよ。自分で楽しめるのであれば、いろいろなものができます。

やり方としても

  1. スマホでデザイン(簡単というコンセプトが含まれていると思う)
  2. 発注

これだけなんです。自分の好きなデザインを作っておいて、後は注文をしてお金を払って…と言うもので、実にシンプルだし、今のこの時代にはマッチしていると思うのです。

大反発された「UTme!(ユーティーミー)」の利用規約

ところが、冒頭にも書きましたが、この利用規約の「権利帰属」のところで、

  • ユーザーは、投稿データについて、その著作物に関する全ての権利(著作権法第27条及び第28条に定める権利を含みます)を、投稿その他送信時に、当社に対し、無償で譲渡します。
  • ユーザーは、当社及び当社から権利を承継しまたは許諾された者に対して著作者人格権を行使しないことに同意するものとします。
  • ユーザーは、当社が実施する各種キャンペーン等に投稿データが使用されることに同意するものとします。

とやってしまい、反発を受けたわけです。これは当然だと思いますよ。態度が上から目線だし、泥棒のようなことを書いているわけです。ユーザーが作った成果物を投稿した時点でユニクロに著作権など所有権が移転されちゃうというものです。

この利用規約に対するツィートはというと

Twitterでは大変な反発などなど。

ユニクロでTシャツ作成すると全著作権を譲渡www UTme!利用規約を警告する声 http://t.co/yKCeAbMOuk #2chmatome #news #newsjp
— alfalfafafa (@alfalfafafa) 2014, 5月 20

苦笑するユーザー

素敵だよなあ RT @inumash: あーこれはあかんやつだ。 / “『UTme!』の権利帰属に関する利用規約が凄い – Togetterまとめ” http://t.co/rxQfiGa1H0
— やまもといちろう (@kirik) 2014, 5月 19

感動するやまもといちろう氏

これ、クリエイター的な人たちが「サンプルで1枚手軽にユニクロで出力しよう!」とかすっげー危険だよ。著作権すべてが譲渡されるうえ、人格権も行使できないからユニクロ側が量産、改変し放題。http://t.co/Bn82Zjj7E0
— tatuya (@tatuya_kannagi) 2014, 5月 19

この方のツィートは1万件以上のリツィート、2,000件弱のお気に入り!これは驚異的な数だと思いますよ。

ユーザーの反発を受けてユニクロの対応

このユーザーの反発を受けて、ユニクロは手のひらを返したように利用規約を改変しました。しかも、実にわかりにくい書き方。おそらくリーガルチェックするときにバカな弁護士が書き直したんだと思います。
一部紹介をすると、

  • 投稿データの著作権はユーザーに帰属します。
  • 当社は、投稿データについて、本サービスの円滑な提供、当社システムの構築・改良・メンテナンス等に必要な範囲内で、変更その他の改変を行うことができるものとします。
  • ユーザーのうち、シェアボタンを選択あるいは投稿データの共有をご了承いただいた方は、UTme!!サイト、当社ウェブサイト及び当社が実施する各種キャンペーン等に投稿データが使用されること及び当社に対して著作者人格権を行使しないことに同意するものとします。

当然のことですよね。

改変した利用規約に対する反応(ツィート)

この改変騒ぎについてのツィートについては

 

#ユニクロ の「#UTme!」の利用規約の変遷は、「今回初めて魔が差して」不合理な規約を作っちゃった、とかでは恐らくないし、同社に限った問題でもない。企業のトップ、経営者の層に、こういう事が許されるという間違った認識が蔓延している証。大きく騒がれなかっただけで過去にもあると思う。
— ん~の も~の (@anzwanz) 2014, 5月 21

ただ、この騒ぎはユニクロらしいなとおもいますね。つまり、急成長しすぎてしまって、中間の人材が全く育っていないと言うことが露呈されたという感じです。

ブラックと言われてあわてて変更したか、腹黒過ぎ。ユニクロのTシャツきてる人はブラック賛成と言うことで。→ ユニクロが「UTme!」利用規約を変更へ  著作権はユーザーに帰属 http://t.co/0XHTC0S0UC #SmartNews
— ちぇんじ (@ganbarenippon) 2014, 5月 21

まさしくこの人の仰る通り。

「UTme!」利用規約をユニクロが変更へ  著作権はユーザーに帰属 http://t.co/8OvflHfwfKどういう意図で規約作ってたのかが気になるね…どうせみんな読まねーだろってテキトーに書いてたのかな。システム上なんらかの理由があってそうしてたとかではないんだな。
— niu(にゅうと読む) (@niusounds) 2014, 5月 21

これもそうだとおもいますね。改変後の利用規約を見ると妙に堅苦しくなった感じがします。

ブラック企業から脱皮するチャンスを失ったユニクロ

もともとユニクロは労働条件とか社長の超ワンマン振りもあり、ブラック企業として名前をあげられる企業なんだけど、「UTme!(ユーティーミー)」をもっとうまくやれば、リスペクト企業になれたと僕は思うのですよ。

ブランドのことがわからないユニクロ

「UTme!(ユーティーミー)」自体は、すごく良く出来ているけれども、残念ながらマーケティング的な発想が含まれてないような気がします。それはどういうことかというと、まずブランドということを意識してない。

冒頭で書いた利用規約については全くお話にならないけれども、この騒動によって大いにブランドを下げてしまいました。インターネットの場合は、TwitterやFacebookなどのSNSがあるので、いいことでも悪いことでもすぐ伝わってしまうのです。これはすごく重要な事で、そういうことをユニクロくらい大きな会社は意識をするべきなのに、そういうことを考えずに作ってしまったということがよくわかります。

先ほどご紹介したツィートでも1万件以上リツィートされているということを考えると、その流れがわかるはずで、そういう評判が評判を呼ぶということを頭に入れておけば、ああいう利用規約は作らなかったと思いますね。

Googleのビジネスモデルを利用すればよかった

それと「UTme!(ユーティーミー)」を使ってユーザーとの共存共栄的なものにすれば、ブランドはもっと上がったはずです。つまり、GoogleのアドセンスのようにGoogleの広告を提供してくれれば、クリックに応じてお金を支払うことがユニクロにできないはずがないと思うのです。

グーグルの場合、サイトオーナーは多くの人に読んでもらうために、色々と努力をしているのですが、その場合の努力というのは、いいものを作るということなのです。いいものさえ作れば、よほど変なことがない限り、サイトの利用者は増えるし、利用者が増えればアドセンスの売上も上がります。

ユニクロについても、ユーザーが作ったTシャツについて、それを売れた分について1枚あたりデザイン料みたいなものを支払うようなシステムにすれば、いわゆるソーシャルなTシャツデザイナーが出てきて、売れれば売れるほど、ユニクロも、デザイナーも儲かるということにすれば、デザイナー魂に火がつくようなきっかけになるはずなんですよね。

ユニクロに関しては世界中に店舗があるし、ネットショップもあるわけですから、そういうことはできるはずなのに、当社は権利はユニクロに移転するよーとかやってしまったから、ああ、やっぱりここはブラックなんだと多くの人は思ったはず。実際にご紹介したツィートのように失望している人がいました。

自分だけ儲けようとするよりも、ソーシャルなユーザーの才能を掘り起こして、その才能に報酬を支払うということにすれば、デザイナーはいいものをデザインすることに専念できるわけでして、そういう機会を作れば、ユニクロも少しはブラック企業であることを払拭できたのにと思うのです。実にもったいないことをしたと思います。

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