2016/06/090 Shares

やっぱりロックはバンドだ!と思う件ーバンドは音の洪水が畳み込んでくる感覚

先日、ドリーム・シアターという、希代のロックバンドのライブを見て、改めてロックはバンドなんだということはつくづく思いました。今日はその辺りを深く考えてみようと思います。

ロックバンドという、いわゆるクリエイティブな作業においては、確実に個性的な人が出てきて、そのバンドでは余人に代えがたいと言うことがよくあります。音楽は人間がやることですから、何かでメンバーがかけてしまったりすることはよくあり、その場合にバンドの成り行きは様々あり、ひとつは新しいメンバーを向かい入れるケースとバンド活動を休止してしまうこと、或いはそのメンバーが自分のバンドを作るケースなどです。

この3つのパターンで一番失敗をするのは、個性の強い人が自分のバンドを作るということで、特にハードロック系のミュージシャンが確実に過ちを犯しますね。具体的に言うと、ディープ・パープル系で、さらに具体的に言うとリッチー・ブラックモアとかデヴィッド・カヴァーデイルなんか失敗者の最たるところだと思うのです。

リッチー・ブラックモアが成功しなかった理由

この二人はディープ・パープルでも特別な存在感を誇っていたし、独立してからも人気がありましたが、年を取るに連れてどんどんダメになって行きました。僕はこの二人は特に好きな人だったのですごく残念です。リッチーの場合は、2度チャンスがありました。一度目はロニー・ジェイムス・ディオとコージー・パウエルがいた時。このミュージシャンとしての格が同じような状態で、「Rising」を発表して、多くのハードロックファンの心を掴みましたが、「Long Live Rock’n Roll」の失敗をロニーに押し付けてクビにしてしまいました。

Rising

Rising

posted with amazlet at 14.10.23
Universal Music LLC (2007-06-29)
売り上げランキング: 10,547

その後、コージー・パウエル以外のメンバーを一新し、ベースにロジャー・グローヴァー、ボーカルにグラハム・ボネット、キーボードにドン・エイリーが加入して、バンドとしての格の高いミュージシャンが集ったのもつかの間、コージー・パウエルとグラハム・ボネットをクビにしてしまいました。

さらにリッチーのメンバーチェンジの迷走は続き、結局どうしようもなくなり、ディープ・パープルを再結成したものの、イアン・ギランとの確執が表面化し、ギランをクビにしたり、元に戻したりして、結局自分が脱退し、全く新しいメンバーを集めてレインボーを再結成をしましたが、この頃にはリッチーのアーティストとしての神通力もなくなってしまい、彼女と二人でなにかゆるい音楽をやっている。前にもこのブログで書きましたが、リッチー・ブラックモアが成功しなかったのは、自分をあまりにも過信しすぎていたからということだと僕は思います。もし、ロニーとコージーがいた時の状態か、グラハム・ボネットがいた頃のメンバーで持続をしていれば、いいものができたと僕は今でも思います。

デヴィッド・カヴァーデイルの成功が持続しなかった理由

ホワイトスネイクの場合でも、サーペンス・アルバスで大成功を果たしたけれども、その後どんどんダメになっていきました。それはサーペンス・アルバスがなぜ成功したのかと言うことが、デヴィッド・カヴァーデイルはわからなかったんだと思うのです。

1987

1987

posted with amazlet at 14.10.23
Whitesnake
EMI Europe Generic (1994-07-11)
売り上げランキング: 10,504

デヴィッド・カヴァーデイル個人は、ボーカリストとしても優れているし、曲も書ける人ですからアーティストとしてものすごく優れている。彼が中心になってホワイトスネイクを結成して、当初はバッド・カンパニーのようなサウンドでしたが、ジサーペンス・アルバスではジョン・サイクスを迎えて、ベースにニール・マーレイ、ドラムにエイズレー・ダンバー、キーボードにドン・エイリーと全くディープ・パープル臭のないバンドで、曲もいいし、何よりもバンドとしての一体感がありました。しかし、このアルバムを発表後メンバーチェンジをしてしまって、結局ホワイトスネイクもデヴィッド・カヴァーデイルのワンマンバンドであり、他のメンバーもどんどん劣化していきました。

リッチー・ブラックモアにしろ、デヴィッド・カヴァーデイルにしろ、バンドの一体感がどういうものかと言うことがよくわからないんじゃないかと思うんですよね。つまり、ディープ・パープルがあれだけ成功したのは、もちろんリッチーのギターは絶対に必要なんだけど、他のジョン・ロードやイアン・ペイス、イアン・ギラン、ロジャー・グローヴァーがいて、ディープ・パープルの音楽が成立しているということが一番重要なんですよ。ですから、名盤「メイド・イン・ジャパン」の演奏は今聴いても素晴らしいけれども、その素晴らしさというのはバンド全体の演奏がいいからで、これはバンドとしての一体感があってこそなんだと思うのです。

ストーンズの一体感は何?

どうしてそういうことを考えるかというと、今年のはじめにローリング・ストーンズが来日をして、そのライブを見に行きましたけれども、とても平均年齢が70歳前後とは思えないエネルギッシュなライブで、僕は先日のドリーム・シアターと同じような感銘を受けました。演奏力という点で言えば、ストーンズはドリーム・シアターの足もとにも及ばないけれども、バンドとしての一体感という点では全く負けていない。最後のメンバーチェンジは、1974年にロン・ウッドが加入した時だから、40年メンバーがほぼ一定してる。彼らがすごいと思ったのはコンサートではリクエスト枠があって、毎回インターネットを使ってリクエスト曲の投票をしてもらって、一番リクエストの多い曲をその日のステージでやってしまうことでした。これは長い間バンドを続けていなければできないことだと思います。

 

 

ツェッペリンやクィーンが解散した理由

冒頭でメンバーが抜けてしまった場合に、活動停止に追い込まれるということも、よくあります。レッド・ツェッペリンはジョン・ボーナムが亡くなってしまうと、すぐに活動を停止してしまいました。ツェッペリンのドラムはジョン・ボーナム以外いないということでしょうし、それは必然的なことだと思うのです。

The Song Remains The Same

The Song Remains The Same

posted with amazlet at 14.10.23
Atlantic Records (1976-09-28)
売り上げランキング: 19,986

あとは、フレディ・マーキュリーが亡くなると、クィーンも活動を停止しました。この場合は当然だと思いますね。あれだけ個性が強くなると、後から加入する人たちは凄くプレッシャーを感じるんじゃないですかね。その後クィーンはブライアン・メイとロジャー・テイラーのミュージシャン魂がうずいたのか、ポール・ロジャースとアダム・ランバートを招いているようですが、やはりボヘミアン・ラプソディはフレディのボーカルで聞きたいと思うのは、僕だけじゃないと思います。つまりそれだけ固定しているメンバーの存在感と言うのは重要なんだと思うんです。

Live Killers

Live Killers

posted with amazlet at 14.10.23
Queen
Hollywood Records (1991-10-22)
売り上げランキング: 10,473

 

イングヴェイもロニーもバンドというものがわからなかった

じゃあ、バンドとしての一体感がないと何がダメなの?と言うことになるんだけれども、別にダメというよりは、僕的には演奏全体に微妙なアンバランス感があるのです。

例えばよく例に出すのがイングヴェイ・マルムスティーンで、彼は作曲家としても優れているし、ギタリストとしてもすごい人だけれども、結局リッチー・ブラックモアと全く同じ道を歩んでいるので、大した成功ができなかった。それは彼が自分のギターを前面に出すことしか考えてないので、どんなにいい曲でも彼のギターだけが目立ってしまうし、そういう目的で音楽をやっているから、自分よりも格下のミュージシャンしか呼んでこないので、余計彼のギターが目立ってしまうことで、音楽全体がアンバランスな感じになってしまうのです。

僕の大好きなロニー・ジェイムス・ディオもそうで、自身のバンドディオも固定しているメンバーはドラムのヴィニー・アピスだけで、常にメンバーが入れ替わりました。このバンドの致命的な欠陥はギタリストが安定しなかったことです。特にハードロックの場合は、ボーカルに匹敵するくらいのギタリストがいないとだめなんです。だから、ロニーの場合も、人間的にも素晴らしくて、ボーカリストとしても素晴らしくて、作曲家としても優れているのに、彼もバンドというのがわからなかった。レインボーやブラック・サバスが素晴らしかったのは、やはり同じレベルのミュージシャンが集った時の一体感だったのです。

畳み込んでくる音の洪水

バンドの一体感がどれだけ大事なのかということをずっと考えていたのですが、それはライブを見たり聴いたりしているとわかるのは、バンドとしてまとまっていると、そこから出てくる音が洪水のように、こちらに畳み込んでくる心地よさなのかなと僕は思うのです。

ワンマンバンドとかになると、ワンマンになっているアーティストと他のアーティストとの「格」が明らかですから、何度も書きますけれども、演奏自体がアンバランスになってしまう。それとは真逆なのが、最近では僕にとってはローリング・ストーンズとドリーム・シアターで、演奏している音楽の種類は全くありませんが、音の洪水を畳み込んでくるという点では共通しているし、だからこそ、彼らは多くの人から支持されるんだと思うのです。ストーンズなんて半端ないです。

ドリーム・シアターもこの一体感がすごくて、最近毎日彼らのライブを聞いてます。

Breaking The Fourth Wall (Live From The Boston Opera House)
Roadrunner Records (2014-09-30)
売り上げランキング: 716


とにかくこの曲を聴くと、すごいバンドの音の洪水が畳み込んでくるという感覚がわかると思うんですがどうでしょう?^^

この記事が気に入ったら
いいね!しよう