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JALの再建問題について

JALの再建問題について、素朴な疑問なのですが、民主党政権になってから急にクローズアップされてきていることです。JALがこういう状態になるには様々な原因が蓄積されて、今回の状態になってくると思うのですが、その間には今の状態になるような問題点はいくらでもあったと思います。

例えば、地方空港がどんどん作られている。JALはそのためにかかる経費や税金がJALの経営を圧迫している。政治家は自分の選挙区のために、空港を招致して官僚に圧力をかけて、本当に利用価値があるの?というような空港があるように思うのは、僕だけじゃないと思う。ちなみに調べてみると、
社会事情データー図録によると、
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/index.html

日本国内には97の空港があって、結局その空港の存在が、JALの足かせになっている。JALをそこまで追い込んだ政治家とか官僚の責任はかなりあると思うのですが、結局これは過去の問題ということもあって、マスコミは取り上げないんでしょうか。そのあたりは、マスコミの軽薄さというか、もっと奥まで突っ込んで、これまでのJALが苦境に陥る原因というのを検証してほしいものだし、その当事者の責任は追及するべきだと思うのですが、どうなんでしょう。先日も、関西空港の赤字をめぐって大阪の橋下知事と兵庫県の井戸知事が対立をした。こういった公共施設を建設していく上で、必ず政治家と官僚が絡んできて、指導力のある政治家と名門大学を卒業してきた官僚が、明らかに失敗と見えることをどうしてするんでしょうか。

この問題と一緒にJALの年金問題も浮上している。

JALは、在籍時の積立金のほかに退職金の30%をJALが強制的に年間4.5%の利回りを加えて、OBに支払っているらしいのですが、経営危機のためこの年金支給そのものの減額要請をOBの方々に西松社長が先日行った。傍観者の立場からすると、これで会社がつぶれた場合に年金そのものも支払われなくなってしまうわけで、山一証券や拓銀が倒産したときに、その会社に在籍していた人たちは倒産した会社から企業年金を今でも受け取っているのかということになると思うのです。

ただ、この問題についても、いみじくも前原大臣が苦悩の表情で述べていましたが、OBの方々の責任ではないにもかかわらず、年金が減額されるというのは納得しかねるだろうし、年金問題を解消するために、国民の税金が支払われる事には、国民が納得しないと言ってましたが、確かにその通りだと僕も思うけれども、結局どちらかが痛い思いをしないといけないということもあり、このあたりは前原大臣も苦渋の決断なのかなと思います。がんばって!

しかも、JALにとってタイミングが悪いのは、映画「沈まぬ太陽」が上映されているということ。

この原作は、山崎豊子さんが書いていて、主人公は組合活動をしたがために、会社の上層部から睨まれ、10年余り僻地に飛ばされ、日本に帰ってきた途端、御巣鷹山の大惨事が起きて、その被害者の渉外担当となり、本当にきつい役割をさせられて、かつ、その航空会社を立て直すために首相直々で引っ張ってきた会長の補佐役をするにしても、その会長が結局社内抗争に巻き込まれて、思い半ばで退任せざるをえず、主人公はまた僻地に赴任していくという物語ですが、この航空会社は、小説の中では国民航空ということになっていますが、誰の目から見てもJALであることは明らかで、このJALにおける人間模様は、政治家や官僚など複雑怪奇としか言いようのない状況で、魑魅魍魎としか表現できない会社として小説の中では書かれているのです。映画に関していえば、あの渡辺謙さんが恩地という主人公で登場して、会社に振り回されるだけ振り回されていて、この国民空港に対しては嫌悪感を持たざるをえません。それと山崎さんの文章力というか、シナリオが上手なので、食い入るように読みました。ちなみにこの恩地という人には実在のモデルがいて、小倉さんという方です。実在の人物をモデルにしているということもあり、JALではこの小説が確か週刊新潮かに掲載されていたと記憶をしていますが、掲載中は飛行機内では週刊新潮は用意されなかったという逸話もあります。

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)
山崎 豊子
新潮社
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つまり、この映画ではいかにJALという会社が体質的に相当問題があるかのように表現され、かつ再建問題で連日マスコミに報道されているということを見ていると、これはタイミングが悪くて、我々一般人はあまりいい目でJALを見ることができないということになり、JALの西松社長もお気の毒というほかないのです。

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