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【書評】俺は、中小企業のおやじ 鈴木修

俺は、中小企業のおやじ
鈴木 修
日本経済新聞出版社
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年をとると見事に変わるのが、まず漫画を読まなくなるということです。小学校から延々と大学くらいまで漫画を読んでましたし、たまたま僕の実家が雑誌を売っているということもあったので、漫画には本当に親しみました。

家から大学までの距離があるということもあって、手持ち無沙汰を解消するために読み出したのが、司馬さんの「竜馬がゆく」。この本がきっかけで漫画を読まなくなりました。

ビジネス書の書評ブログというのが、すごく人気があって、僕も「マインドアップ的読書感想文」や有名な小飼弾さんの「404 Blog Not Found」でチェックはしています。それはそれでものすごく役に立ちますし、ビジネス書を読むときの参考にしています。

一方で、これらのビジネス書というのは、どちらかと言うとノウハウ本。ビジネスのミクロ的な部分を学ぶ上では、自らの経験を本に落とし込んでいるので、参考にするべきところは参考にした方がいいと思うのです。

ただ、世の中というのはミクロの世界だけではないですよね。もちろんマクロなものというのがあります。そういうマクロを学ぶには一番いいのは、僕は歴史だと思います。それは戦国時代の人たちでもいいですし、坂本龍馬や西郷さんのことを読んで、彼らが歴史的な大事業を成し遂げることができたのは、どうしてかということを学ぶのはこれは本質的に自らを成長させることだと思います。前にこのブログの記事で、鳥飼先生の「考運の法則」にも書いていましたけれども、ブレーンを持ちなさいと書いてあって、それは何か行動をするときに過去の歴史ではどのように対処するんだろうかということを考えてみると道が拓けるんですよということが書いてありました。僕はそういうことは実行できないでいるので、仕事が上手くいかないのだと思いますが、僕もそう思います。

つまり、前置きが長くなってしまったけれども、僕が言いたいのは、現代でもものすごい実績を残している人はたくさんいて、その人達がすでに歴史上の人物とも比肩できるくらいの実績を残し、かつ、今でも生存して、自分の人生を振り返った本を書いているので、これほど正しいことはなく、そういう人達に限って大変な人生を送っている人たちがいるので、そういう人達の本を読んで、こまっちゃくれたテクニックばかり学ばずに、もっと視野を広げてみたらどうかと思うのです。

今回ご紹介するのは、そういうマクロな部分を身につけるには、最適の本で、鈴木修さんは軽自動車メーカーのスズキの社長です。彼は、社長に就任時に4000億円の売上だった会社を30年で3兆円!までに売上を上げた手腕をもつすごい人です。

目次
第1章 ピンチをチャンスに変える
第2章 どん底から抜け出す
第3章 ものづくりは現場がすべて
第4章 不遇な時代こそ力をためる
第5章 トップダウンはコストダウン
第6章 小さい市場でもいいから1番になりたい
終章 スズキはまだ中小企業

この本は、彼が社長に就任して今までの実績に基づいた経営哲学が書かれているのですが、最初の1兆円を突破するのに12年かかり、次の2兆円になるのも12年かかったそうです。ただ、次の3兆円突破は、4年で達成をしてしまいました。

まず3兆円達成すること自体がすごいことですが、普通であれば、恐らくさらに成長戦略をすすめていき、本業ではない方に投資をしてしまうケースが多いのですが、鈴木社長の場合は、この成長は身の丈を完全に超えているということを認識し、これはスズキにとっては危機であると捉えているところに、他の経営者とは全く違うところで、僕は彼のこの認識をしているということを知るだけでも、この本を買った価値があったように思います。

バブルの時には、名経営者と言われた人でさえ、というよりも仕事の本当に出来る人が踊らされてしまうケースが多いです。以前のバブルの時には、イトマン事件が世間を騒がせましたが、その中心にいたのは住友銀行で、その住友銀行でも磯田さんという大変偉い会長が、踊ってしまいました。

磯田会長は、当時銀行家としては大変な経営者として特別な尊敬をされていました。「向こう傷は問わない」というやり方で、多くの企業の再建をしました。有名どころだと安宅産業の救済、マツダの救済などそれはもうたくさんあります。世界の銀行家としても何かの雑誌の表紙に出たこともある彼でしたが、イトマン事件で失脚し、亡くなったときには新聞の記事の隅っこにしか掲載されなかったような記憶があります。

そうやってかんがえると、自分のことを照らし合わせてみても、いい時というのは本当は落ちるときの予兆なのかなと思ったりしますし、仕事についてもやはり専門性を強くして行くということがつくづく大事なんだなと思ったりします。

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