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【書評】無の道を生きるー禅の辻説法 有馬頼底

無の道を生きる-禅の辻説法  (集英社新書)
有馬 頼底
集英社
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社長ブログをやめて、このブログを書いて一番良かったことは、読み手を意識せずに書けるようになったこと。社長ブログを書いてて、つくづく思ったのは、自分のことを悪く書かないということです。なぜならば、その手のブログと言うのは、自分のブランドを上げるために書くことが多いからです。これって結局ネガティブなことがかけないので、それなりにストレスが貯まるのです。その点このブログは、基本的に好きな事を書いているし、それなりに泣き言も書いたりしていて、らくちんですね。

ところで話はがらっと変わりますが、宗教心ってどう思いますか?僕はね、個人的にはモーゼの十戒を平気で破るような男なのですが、海外のスポーツとか見てみると、勝利できたのは神のおかげだといいますよね、ものすごく力のある人でも。つまり、その選手は、神様に感謝をしているわけです。

他には、イラクやアフガニスタンでは、自爆テロが起こります。日本でも昔神風特攻隊というのが、ありましたけれども、現代ではこの自爆テロということがおきます。これも死ぬということを恐れない行為ですし、これも宗教心というものがなければ決してできない行為です。

僕自身にとって、この宗教心をもつということは永遠のテーマでしたが、いまいち神を信じるということがよくわかりません。信じることでどうして神を感謝出来るのか、或いは自分の宗派のためにどうして自分を殺すことが出来るのか。例えば神様が、東京タワーのてっぺんから飛び降りたら、お前は天国に行けるよと言っても、僕にはできません。逆に魂を悪魔に売れば、事業を成功させてやると言われれば、僕は恐らく魂を売ると思います。そういう発想だと、結局宗教心というものはもてないんでしょうね。

ところで、この年末ギリギリの時に、この有馬頼底氏のこの本に出会いました。

この有馬頼底氏という人は、もともとは旧大名の有馬家の出身の人だったのですが、お父さんが殿様商売をしたことで、家が破綻をし、学習院初等科に入る前に天皇陛下の御学友に選ばれたほどの家系出身でもあるにもかかわらず、8歳でお寺に出され、親の死に目にも会えないという切ない思いをしつつ、今は相国寺派の管長をしつつ、金閣寺と銀閣寺の住職をされているという偉いお坊さんです。

この本は、恐らく口述だと思うのですが、関西弁で書かれていて面白い。それと禅というものに対してとてもわかりやすく書いてあって、僕も禅というのはどういうものなのか朧気ながらわかりました。僕が解釈をした禅というのは、悟りであると。この悟りというのは、禅というものが、人間というのは生まれて死ぬという現実を認識するための行であり、その到達点が悟りなんだということのようです。ちょっとこのあたりはこの本をもっと読みきらないと僕もよくわかりません。

ただ、これは前にも書きましたが、人生の辛酸を嘗めて、お坊さんとしてかなり上になるためにどういう人生経験をしたのか、或いは禅や茶道を通じて人間形成をしてきた人の言葉はやはり重いし、学べるところは沢山あるような気がします。

つまり、ノウハウ物のビジネス書は確かに面白いし、勉強になります。でも、それらは結局ノウハウものであって、ミクロな部分は学べるにしてもマクロな部分は学べません。また、以前にインターネットは集合知であるべきなのに、日本のインターネットはサブカルチャーばかり育ってしまって、だめだと宣った人がいます。僕らの業界の一番悪いところは、自分は頭が良いんだと錯覚している人がとても多いことです。特にそれはマーケティング系の人が実に多い。つまり、感じの悪い人が実に多い。その代表的な人は、僕が敢えて此処で言うことはないですけどね。そういう人達がやたら「知」というものをいう傾向が見られます。その宣った人は、今は何か将棋に凝ってるみたいで、お気楽極まりないし、そこまで日本のことが気に入らなければ、大好きなアメリカにいきなさいと僕は言いたい。そういう人は日本にはいりません。

アメリカのMBAというのは、SBIの北尾社長に言わせると、速く収益化を図るためにはどうしたらいいかということを研究することらしいのですが、そのことで長期的な視野で経営を考える事ができなくるわけで、その結果がサブプライムローンの失敗であると言ってました。そこに「知」というものは、本当にあるのか。前に驚いたことがあったんだけれども、今は死亡保険を証券化する動きがアメリカにあるらしいですね。こうなると倫理もクソもあったものじゃない。恐らくそういうことを考えている人が多いのであれば、アメリカは僕が生きている間はわからないけど、孫の代とかで恐らく没落するんじゃないでしょうか。

僕は最近年齢的な事もあるのかわかりませんが、こう言うノウハウ本というのが本当に受け付けなくなってきていて、逆に長い人生を経て成功というか、自分の信念を持っている人のほうが受け入れやすくなってきました。この有馬さんの場合も、破天荒な人生を送り、ある意味悟りを開いたようなお坊さんの本は自然と自分の中にはいってきます。

今年も、あと数時間で2009年も終わります。

僕個人においては、事業がうまくいかなかったということと心から信じていた人間に裏切られたこと、母が亡くなったということもあり、忘れられない年になった。特に、母との関係は彼女の晩年はそんなにいいとは言えなかったけれども、今でも母のことを思い出すと涙が止まらない。本当に悲しいです。また、一方でこういう事をやろうということも自分の中で育ってきたし、年末のギリギリのところでいい人と良い本との出会いもあり、最後の最後になり、自分でも納得出来る年となりました。

来年は、もっと多くの人と本に出会えればと思っています。

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