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黒田官兵衛という人物

坂の上の雲があっさり第一部が終わってしまい、寂しがっていましたが、僕が日本史が好きになった大きな原因は司馬遼太郎さんとの出会いです。日本の歴史が好きな僕ですが、では、僕にとって一番のヒーローは誰かと言うと、豊臣秀吉です。その秀吉が天下を取るのに大きな貢献をした人物が黒田官兵衛で、僕は彼のことがとても好きです。


やはり、氏素性もないつちくれのような土民の子が、最終的に関白という日本では天皇の次に高貴な人物になるというのは、秀吉が織田信長と巡りあわなければ絶対にありえなかったことで、それでも有能な人間を酷使するという信長流のやり方に対応した秀吉という人物は、僕は立身出世というものを超えた、凄みというものを秀吉には感じます。

そんな秀吉は、先程も書きましたが、人との巡りあうというところに大変ラッキーなところがありました。

まずはなんといっても信長に仕えたということ。この信長という人は、恐らく日本で最も合理主義者だと思いますが、家柄も何も関係ない。仕事のできる人物を重用しました。逆に仕事が出来ないと来れほど怖いトップはいなくて、悪ければ虐殺、良くても追放という、まー、とにかく桁外れの天才というべき人物です。そんな信長に秀吉は仕えたことで、その後の人生への道が拓けた。

次に日本史的レベルの高い参謀を持ったということです。これが今日の記事の本題です。

秀吉という人は、教科書にも書いてありますが、信長を引き継いで戦乱の世の中を統一して天下を安定させました。その彼の側近としては、天下を統一するまでの創業期は、竹中半兵衛黒田官兵衛という人物がいます。天下統一後は、関ヶ原で有名な石田三成。秀吉の凄みは、そういう歴史的な人物が助けたいという思いを持たせたことにあって、たしかに秀吉は人たらしの名人と言われました。

そんな秀吉の創業を助けたのが、黒田官兵衛という人物。司馬さんの本でも主人公になっているくらいの人物ですが、やはり以前このブログの記事でも書いた児玉源太郎ではないけど、メジャーになりきれていなくて、知る人ぞ知るという人物です。

この黒田官兵衛については、秀吉も恐れるところがあって、秀吉の天下統一事業をする上では、もっとも大きな役割を果たした人物ではありますが、天下平定後に黒田が秀吉から与えられた恩賞は、たった10万石です。ちなみに当時の豊臣大名の石高は、徳川家康が250万石、前田利家が90万石、加藤清正が25万石、上杉景勝がたしか120万石と、他の大名と比べて圧倒的に少ない。

晩年の秀吉は、側近を集めて余話をするのが好きだったそうです。その余話のなかで秀吉は、「もし、自分が死んだら、誰が次の天下をとるのか言ってみろ。」と側近たちに聞いたそうです。当時は戦乱が終わったばかりですから、徳川家康をはじめ英雄が多くいます。なので、側近たちは、家康とか利家とか、蒲生氏郷とかといった当時の英雄の名前をあげたそうです。

ところが、秀吉は、いいやちがう。黒田官兵衛であると。自分は天下を統一するまでどれだけ彼から助けてもらったかわからないとという逸話があります。それに対して側近たちが黒田官兵衛は10万石しかないのにそれ無理でしょうというと、秀吉は、いいや、あいつの凄みはわしが良く知っていると言ったそうです。

黒田官兵衛の真骨頂は、その時に自分は秀吉を恐れられているということを悟り、隠居を秀吉に申し出ます。隠居名も黒田如水として、秀吉に申し出ますが、今まで創業の苦労を共にしてきた秀吉としても、簡単に黒田を切るということはせず、たしか隠居料としていくらかを渡し、つなぎ止めています。

そんな秀吉が死に、豊臣大名のなかで対立がおきます。つまり、徳川派と石田三成派に別れて先鋭的な対立になります。そこで徳川の上杉征伐から、関ヶ原の戦いが起きるわけですが、その間にこの黒田官兵衛は、九州を席巻します。黒田官兵衛の戦略としては、関ヶ原で国内が戦乱の世の中になるので、関ヶ原の合戦の勝者と九州で兵を集めた自分が中央で雌雄を決するというものでした。ところが、関ヶ原は1日で勝負が決まり、それを知ると、黒田はその軍隊をあっさりと解散し、その後は全く政治には関与しない生活を送ります。

つまり、黒田官兵衛という人は、大きなキャンパスで自在に絵を描きたいというような欲求があり、まず、秀吉と知りあうことでそれを全うしようとしました。晩年においては天下を徳川と雌雄を決するという戦略を描き、それが無理ということがわかるとあっさりとやめてしまう、なんというのか隠士の匂いが濃厚で、僕はこの黒田官兵衛という人物はとても好きです。と言っても、この部分は司馬史観の影響が大で、播磨灘物語には、その黒田のエッセンスがたくさん書かれてあり、僕の愛読書のひとつでもあります。

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