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歴史の面白さについて

僕が日本史を好きになったのは、大学時代に司馬さんの竜馬がゆくに出会ってからで、この本を読んで司馬さんの筆力もあり、結局彼の著作はエッセイやあとがき集も含めて95%は読みきってると思う。なので、僕の幕末や戦国時代の知識は、司馬さんの著作によるものです。

彼の著作によって僕は歴史を知ることの面白さを知った。これは彼の著作によって、教科書で習った事の背景やどう言う人物が関わってきたかということを知る面白さがわかるようになったことです。日本的なレベルで言えば、坂本龍馬という人物は、出身の高知ではまだメジャーでしたが、全国区ではなかった。全国区になったのは、司馬さんの竜馬がゆくによるものです。特に明治以降は薩摩と長州が政府の中心でしたから、傍流の土佐藩の英雄はわざと外に出さなかった形跡も見受けられる。とにかくそんな扱いでした。それを司馬さんが竜馬がゆくでメジャーになり、この本に感銘して龍馬好きになった人は、たくさんいる。

また、江の脚本家である田渕久美子さんが、大河ドラマで「篤姫」の中で天璋院篤姫を主人公に、小松帯刀を副主人公に設定しました。僕は個人的には小松帯刀は知っていましたが、やはり彼の地元である鹿児島では知られてる人だけど、全国区ではなかった。篤姫に関しては、全くそういう人がいたということもしらず、この篤姫は僕にとっても大変勉強になったドラマでした。小松もこのドラマによって、そして瑛太くんが好演をしたので、結構メジャーになったんじゃないかと思います。

歴史家、あるいは歴史小説家の醍醐味は、無名だけれども、実際にはすごい業績を残した人物を後世に伝えるということだと思うのです。例えば、小松帯刀という人物は、薩摩藩でも名家出身で彼のもとで身分の低い西郷隆盛と大久保利通が縦横無尽の活躍をした。逆に言えば、小松がいなければ西郷さんや大久保さんがあれだけの活躍をしたのかという疑問が残る。また、日本の英雄である坂本龍馬との接触は、西郷さんよりも小松のほうが濃密だった。龍馬伝では、このあたりはすっかり抜けてましたね。

篤姫に関しても、こんなに数奇な人生を送った女性も珍しい。時系列で書くと

  1. 島津の分家に生まれる
  2. 島津斉彬に見初められ、島津本家の姫となる
  3. 徳川家定に嫁ぎ、御台所となる
  4. 幕府と薩摩の関係が悪化する
  5. 嫁ぎ先(幕府)と実家(島津家)が戦争を始める

という具合で、こんな人生を送るというのは、すごいというか、何か絶対眼に見えない力が動いてるとしか思えない。そもそも嫁ぎ先と実家が戦争状態になるってすごいと思いません?嫁姑のいがみ合いというレベルじゃないんだから。お互いに殺す殺さないで大騒ぎしてるわけです。でも、そんな彼女が江戸を火の海にならないように尽力した。僕はこんなこと知らなかったから、非常に篤姫は面白く見ることが出来た。

吉村昭さんという作家がいます。もう亡くなっているんですが、彼が日本で最後の敵討ちを果たした臼井六郎の事をかいた「敵討ち」を著者です。臼井は秋月藩に所属していて、この藩の中で開明派と攘夷派が対立をし、それが先鋭化して臼井の両親と妹が攘夷派に惨殺され、それをきっかけに六郎は敵討ちを決意し、実行するという内容ですが、僕はこういう衝撃的な内容を探し出してきて、世間に広めた吉村昭という人物のことを気になり、色々と調べてみたら、歴史の事象に対する着眼点が実にユニーク。

ちなみに六郎の父を襲撃したメンバーというのは、後年秋月の乱という反政府暴動を起こすに至るのですが、一方でそんな尊皇派だった六郎の父を暗殺した一瀬は、開明派の政府に出仕するというのは、もの凄く矛盾を感じるんですよね。これは余談ですが。

今回の臼井六郎でも、恐らく知ってる人は地元の人ぐらいだと思う。それを何かで見付け出して、それを本にして、さらにテレビ朝日がドラマ化して、しかも出演者が圧倒的な演技力で我々を魅了したという極めて理想的な流れだった。他にはこの前も少し書いたけど、先日映画化された桜田門外の変も吉村さんの著作ですね。好奇心の旺盛な僕は、アマゾンを覗いてみたら、なんと吉村昭のページというコーナーがあり、結構たくさんのご本を出されていて、いかに僕が勉強不足なのか露呈してしまった。

見てみると、結構コアなんですよ、取り上げている題材が。

ポーツマスの旗:小村寿太郎のこと
この人は、まだそれなりにメジャーですよね。教科書にも出てるし、今の坂の上の雲では竹中直人が演じてます。

彰義隊:輪王寺宮能久親王
彰義隊は知ってるけど、輪王寺宮能久親王は知らない。ここでどう言う人か知りたくなります。ウィキペディアでも少し見ましたが、この人も相当数奇な人生を送ってます。

天狗争乱:水戸藩の天狗党が主人公
幕末時に幕府に追討され、悲惨な運命をたどることは知ってますけど、詳しいことは知らない。

こんな感じでとにかく取り扱う題材が、相当コアで、恐らく想像では絶対にかけない分野。そろそろこっちの方も読み始めてみようと思う今日この頃です。

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