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やっと終わる江姫

僕にとって大河ドラマで、ベストだったのは篤姫。篤姫の出来を100とすると、天地人が20。龍馬伝は60くらい。で、今の江はというと、10かな。大河ドラマ50周年ということもあって、NHKも篤姫で成功した田渕久美子さんを起用して江~姫たちの戦国~だったのですが、結果的にはぼろぼろになってしまった。田渕さんは二度とNHKで起用されないと思うね。

篤姫は、僕にとっては完璧でキャスティングも音楽も、ストーリーも非の打ちどこがなくて、ドラマである以上創作は仕方ないのですが、それも自然とストーリーにうまく融合されていて、実に出来のいいドラマになりました。また、従来無名であった小松帯刀を副主人公として、当時明治維新前夜には西郷、大久保もいたけど、それと同じくらいのレベルで小松帯刀がいたんだよということを知らしめたのはほんとうに素晴らしかったと思うのです。

ところが、その後が天地人は、キャスティングがぼろぼろ。おそらく出演者は歴史的背景を理解しないで演技をしていたと思うし、龍馬伝も最初のうちは良かったのですが、後半は出演者が叫びすぎるということと、どいつもこいつも砂埃で汚すぎるということもあり、かつ、創作もひどかったので、後半はあまりまじめに見れませんでした。

ですから、篤姫後2年間溜まったストレスを、篤姫を書いた田渕久美子さん主導の江~姫たちの戦国~が解消してくれると思ったし、江という人が歴史的にどれだけ偉大な女性なのかということがわかるんじゃないかという大きな期待を寄せて見ていたのですが、結果的にはどうにもならないくらいひどくて、非常に落胆をしました。

この江~姫たちの戦国~が失敗した原因は、

  • 主人公が大河ドラマの主人公になりえないキャラクターだった
  • 田渕久美子さんが基本的に間違っていた

この2つだと思うのです。

江という人は、浅井3姉妹の3女で、紆余曲折があって、徳川家に嫁ぎ、家光を生み、かつ、娘の和子が明正天皇の母になるということもあり、将軍の母となり、天皇陛下の祖母になるという数奇な人生を送った女性で、このことに関して田渕久美子さんは、生物学的な勝者と江のことをいってましたが、僕に言わせれば歴史的に何も前向きなことをしてないだけで、ひたすら子供を生み続けた人生で、わざわざ大河ドラマの主役を張るような人物じゃない。

このドラマでは、出てくる女性陣は、ひたすら戦はやめてくれということを言い続けるものの、男たちや時代はそんなことを一切無視して、覇権を握るべく戦いを繰り広げ、何一つ女たちの言うことは聞きませんでした。戦国時代が男の時代である以上それは仕方がない。ただ、ドラマを見てる方としては、江が何をするかずっと待ち続けてましたが、結局後半はひたすらこどもを産むために、踏ん張るか、あとは春日局との対立もあって秀忠以降の将軍を誰にするかで色々と悩んで入るものの、結局江が押していない家光が将軍になり、家光自身は名将軍のとして歴史に名前を残し、後世から見れば人を見る目もなかったということが歴史的に明らかになった。

つまり、江という人がただ単に将軍の嫁になったということで、それ以外の何者でもないということであり、後世の我々が彼女を知る必要もない。姉の淀は、江と同じような人生ですが、最後の最後で家康と対峙して敗亡します。こちらも絵に描いたようなお嬢様が、タヌキおやじと言われた徳川家康に勝てるわけがないわけで、そういう国を揺るがした女性として歴史に名前を残したわけです。さらに、大坂冬の陣にしても夏の陣にしても、負けるべくして負けた戦で、リーダーが淀であるということが大きく影響しました。これは豊臣軍に殉じた真田幸村や後藤又兵衛が、豊臣秀頼の出馬を何度も淀に願い出るものの、内部にいる家康が送り込んだ敵が秀頼を狙うからだめだということでそれも実現せず、このことが大坂城内の兵士のモチベーションを大きく下げたんですよね。そういうレベルなんです、申し訳ないけど、この3姉妹は。

田渕さん自身も、自分のルックスによほど自信があるのかやたら全面に出てくるのには最初から違和感がありましたね。ただ、大河ドラマの作者ですから、文章なりインタビューを読んだりしたんだけど、この人は俳優陣に対して影響力を持とうとしてるんじゃないかというところは随所に見られました。

例えば、この大河ドラマをやるに際し主人公は上野樹里ちゃんですが、田渕さんは江を上野樹里以外演じられいないと思って彼女を起用したと言ってるけど、なんか妙な目論見が感じられて、すごく嫌味に聞こえたね。女の人は、妙な権力欲を持つとはっきり言って美しくありません。石井ふく子とかひどいでしょ。

あとは、前述したけど、江が将軍の母となり、天皇の祖母になったということで生物学的な勝者と分けのわからないことを言い始めて、こじつけとしかいいようがなく、いかに江という女性が歴史的に何もしてないということの裏っ返しということだと思うのです。

また、創作をするにしても、家光が化粧するということがあり、江が、衝撃をうけるものの、対立する春日局が、家光は母を慕って化粧したんですよということで、江は今まで面倒を見なくて悪かったと家光に謝罪し、母と子の間に絆が生まれるという実に安易な設定でずいぶんひどいなと思ったね。

まあ、田渕さんに関して言うと篤姫のシナリオもゴーストライターが書いたんじゃないかとよく言われますが、今回の篤姫を見るかぎりあながち嘘じゃなさそうな感じがするね。そう思いました。それだけ、篤姫と江のドラマのレベルの差があまりにも大きすぎるのです。

来週でこの大河も終わり、来月からは坂の上の雲がまた始まります。今度は日露決戦ですから一番大事なところになります。見所としては、バルチック艦隊が太平洋を航行するか、あるいは日本海に来るか、秋山真之が苦悩するのですが、それをどう描かれるのか。

また、新しい大河、平清盛が来年から始まり、これもマツケンがどう演じるか見ものですね。それ以前に僕は平清盛のことをよく知らないので、今のうちに勉強しておかないと。3作続いた愚策の大河ドラマをこの清盛でなんとかクリアして欲しいものです。

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