0 Shares

大河ドラマに思うことは

1月8日に始まった平清盛は、視聴率が歴代でも低かったというニュースが昨日くらい出てましたけど、ひとつは平清盛という人物に目新しさが感じられなかったということと、やはり原作がオリジナルであるということも大きく影響してるのかなと僕は思うのです。

平清盛については、まだ始まったばかりだけどあまり芳しくない記事が結構出てます。

  1. 大河ドラマ「平清盛」:兵庫県知事が酷評「画面が汚い」

    毎日新聞 – 10 時間前
    NHK大河ドラマ「平清盛」の初回(8日)の視聴率が歴代ワースト3位となり、舞台になった兵庫県の井戸敏三知事は10日の記者会見で、「まず画面が汚い。(視聴者が)チャンネルを回す気にならないのでは」と述べ、近くNHKに内容の改善を 

テレビなり、歴史小説家なり、歴史を取り扱う人たちの大事な使命もののひとつとしては、人物を歴史の中から探しだしてきて、多くの人に勇気や希望を与えることだと思うのです。その最大の人物は、やはり司馬遼太郎さんで、この人の功績は計り知れない。僕が総理大臣だったら、間違いなく国民栄誉賞を差し上げたい。

具体的には、坂本龍馬という人物を多くの人に知らしめたのは、司馬さんの名作「竜馬がゆく」です。この本が出版されるまでは、坂本龍馬という人物は、高知県内か余程の歴史好きじゃないと知られてなかったのです。それを司馬さんが龍馬という人が幕末でも特別な存在だったということを国民に伝えたら、司馬さんの筆力もあり、多くの日本人が感動しました。

秋山好古

司馬さんの著作は、こういうケースが結構多くて、NHKで3年間続いた「坂の上の雲」にしても秋山好古真之兄弟が主人公でしたが、おそらくこの秋山兄弟のことだって、司馬さんが坂の上の雲で取り上げられなければ、そういう人がいたということを知らない人が多かったと思いますよ。高校の歴史の教科書だって日露戦争のことは1ページも使ってないはずですから。

ところが、司馬さんはこの二人が実は日露戦争でとんでもない実績をあげていて、それが歴史に埋もれているところ、自分の作品に登場させて、多くの日本人に知らしめた。更に素晴らしいのは、NHKが頑張ってこれを映像化したことで、更に多くの人が秋山兄弟のことはもちろん、正岡子規の人物を僕らは知ることになった。

そもそも日露戦争がどうして起きたのかということすら、今の日本では教えないし、当時の日本人が血の滲むよう思いをして、大国ロシアに勝ち、その結果日本はどうなったのかということを学校で教えないのは、僕は間違ってると思うんですよね。これは余談ですけど。

少しうんちくを書くと、司馬さんの隠れた名作で「翔ぶが如く」という作品があります。こちらは大河ドラマ化しましたけど、この本は明治維新後から西南戦争が集結して、武士の時代が終焉したことを書いたものですが、もともと主人公を薩摩人の村田新八という人を司馬さんは使いたがっていたのですが、あまりにも文献がないので、主人公にするのを諦めたという落ちがあります。

村田新八

この村田という人は、勝海舟が大久保利通に次ぐ人物と評価した人で、西南戦争において西郷軍に殉じました。当時の薩摩は、海外を見ている人はほぼすべて西郷さんにはつかず、政府に残ったのですが、村田だけが海外を見ているにもかかわらず、今までの西郷さんとの情誼と西郷をして日本の首相にならしめるという使命をもって、西郷さんについたという人物です。たしかに人格的には主人公になり得るでしょうね。村田新八についてWikipediaの記述はこちら

そういう歴史上の人物を伝える上で、大きな存在になるのがテレビであり、ひいては大河ドラマだと思うのですが、妻夫木君以降の大河は振るわない。特に龍馬伝からはずっとひどくて、これはひとつに優れた原作を使ってないからだと思うのです。ドラマだから歴史をねじ曲げてもいいと思うのですが、辻褄が合わないことが多くて、作品として面白くも何ともなくなっちゃうのです。

一番いい例が、去年まで続いた「江~姫たちの戦国~」で、篤姫で勘違いした田渕久美子が篤姫の二番煎じで江~姫たちの戦国~をやったわけですが、江という人が歴史的に何もしてなかったということもあるけど、原作がオリジナルということもあって、ものすごく陳腐なもののになってしまった。

そう考えると、作家という職業を改めてすごいなと今更ながら思う一方、NHKもオリジナルの原作を作らなければいけないほど、ネタが尽きちゃっているのかなと気の毒に思ってしまう今日この頃なのです。僕としてはそれこそ日露戦争の児玉源太郎とか、戦国時代の黒田官兵衛とかいいと思うけどね。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう