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開拓者たちと平清盛

同じNHKで片やメジャーなのは、最近ブレークしている満島ひかりだけの開拓者たち。一方NHKが総力を挙げて制作している平清盛。どちらが大人というか僕を満足させているかといえば、明らかに開拓者たち。

平清盛に関して言うと、このドラマは龍馬伝の流れを汲んでいて、映像が先ず大事な印象を受ける。実に人為的な映像で、具体的にいえば、人も街も汚い。兵庫県知事が、汚いと言って物議を醸したけど、僕もその通りだと思うね。

せっかくキャスティングがいいのに、映像とコンテンツで平清盛は、だめになってる先ず清盛と言う人物が、白河法皇の落とし胤と言う設定だけど、血流を大事にする武家が、血の繋がりのない者を、本家の跡継ぎするだろうか。

後は、登場人物が、皇室のことを王家と言っているけど、天皇家は、そもそも王ではないのに、何故王家と言うのもおかしい。こういう所で揚げ足を取る部分がものすごく多いのです。

それと平清盛という人物が、うつけもののような描写している。これは清盛よりも400年後に現れる織田信長が子供の時うつけと言われて、この子で織田家は大丈夫なのかとまで言われましたが、そういう感じに写ってるけど、本当にそういう人物だったんだろうかという疑問が湧いてくるんだよね。やっぱり歴史をねじ曲げてはいけないと僕は思うのです。

僕のように50になると、そういう変な辻褄が合わないというのは、なにか癇に障るモノで、篤姫が終わってから、天地人もだめ、龍馬伝もだめ、江~姫たちの戦国~はお話にならないくらいだめということになると、今から次回作を期待してしまう。次回は八重の桜です。綾瀬はるかちゃんが主演を勤めますが、彼女は武家の娘って似合うので、いいんじゃないかなと今から期待してます。

一方で開拓者たちは、昨日で終わりましたが、満島ひかりちゃんの演技は圧倒的でしたが、他の有名とは言えない俳優さんたちの熱演もあり、実に緊張感があり、しかも全く知らないことばかりだったので、僕は興奮しながら見てました。

話の内容としては、当時の日本の国策として満州への入植のすすめに応じた当時の善良な日本人が、満州の千振という地域で土地を開拓するも、日本が太平洋戦争で降伏、その後日ソ不可侵条約を破棄したソ連が満洲を侵攻し、ある者は命からがら日本に逃げ帰り、ある者は中国に抑留され、ある者は有名なシベリアへ連れていかれた。そして日本に帰れた者も、結局不毛の地であった那須に移植し、そこで大変な思いをして農地を耕し、放牧に成功するというものです。

とにかく日本に帰らないと行けないという人たちの中には、もちろんお年寄りもいて、川を渡っているときにながされてしまったおばあさんとかもいたそうです。また、そういう状態ですから食べ物もないので、小さい子は亡くなってしまったりとか、移動中に小さい子がいるから迷惑をかけてはいけないということで、中国人に預けてしまい、後日中国残留孤児という問題にも発展しました。また、ソ連から逃げられないということで追い込まれた人々は、集団自決を図るという悲惨なことにもなりました。また、日本に帰ったら、奥さんが他の男の子供をはらんでいることがわかったりと、僕なんか絶対発狂しそうなことが現実に会ったようです。僕はこういう現実が会ったことを50になるまで全く知らなかったし、こういう過去の悲劇、或いは、成功物語を発掘して、後世の我々に伝えたNHKの努力はほんとうに素晴らしいと思った。

また、このドラマの中で、開拓団の人たちが逃げるときに、列車が彼らを待たずに出発してしまったり、たまたま走行中の関東軍のトラックに乗せてくれと頼んだ時に、足手まといになるからということで断られたりします。ところが、この関東軍のトラックは、満州の日本人を助けずに、自分たちだけで逃げてしまったわけです。これは今で言うと、イタリアの客船が座礁してしまったけど、その時の船長と一緒です。

結局関東軍というのは、満州の防衛をするための軍隊であり、満州を防衛するということはすなわち満州にいる日本人の生命及び権益を守るものだったはずが、それらを捨てて逃げていったという、ちょっと一般的な常識では考えられない事だったと思う。それは勝手に満州事変を起こしたり、自作自演の爆破が、中国人がやったとか嘘ばかりついて結局日中戦争をおこしてしまった。

これに関連して司馬さんの挿話を思い出しました。司馬さんは終戦前に栃木県の佐野に戦車部隊として駐屯をして、本土決戦に備えていたそうなんですが、司馬さんが上司にもし本土決戦になったら、国民が道路を使って逃げるから、戦車が走行できなくなるけれどもどうしたら良いかと聞いたら、その上官は轢き殺して進めといい、唖然としたそうです。つまり、軍隊は国民も護るべきものなのに、軍事行動を優先させて、邪魔立てするものは国民だろうが轢き殺せという感覚に愕然としたということでした。

まあ、そういう軍隊だからこそ、日本は戦争に負けたし、そもそも戦争だって起こさなかったし、戦争を起こしても日本内外に迷惑をかけたわけで、日本史的にも世界史的にも汚点を残してしまったし、どうして侍の国だった日本がそうなってしまったのか、これはもう一度検証したほうがいい。

ちょっと話が脱線してしまいましたが、満州千振開拓団の人たちは、散々な思いをして日本に帰国し、開拓する土地として不毛の土地であった那須を与えられて、農地を開拓し、遊牧地としても開拓したということは、今更ながらすごいと思ったし、満島ひかりちゃんが演じる阿部ハツが言ってましたが、生きていればなんとかなるというセリフは、とても重みのあるものでした。

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