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ブランドのことーある人材会社の破綻

先日、ある人材会社が1年前に破綻していることを知りました。その会社は40億円の負債を抱えて、民事再生法適用の申請をして、事実上倒産したんだけど、その会社の社長が過去を振り返って民事再生までのことを本にまとめて出版し、僕もそれに近い立場でもあったので関心もあり、その本を読んでみた。

ちなみに僕がその近い立場というのは、僕自身も会社をだめにしてしまったということもあって、じゃあ、この社長はどうして会社をだめにしてしまったのかということにとても興味があったのです。

この会社の社長は、早く満員電車を乗らないようになりたい、電話セールスだけはしたくはない、会社はみんなで楽しむ場所にしたいという気持ちが元々あったようで、それを実現するべく会社を設立したんだそうです。実に子どもっぽいのです。

彼の著書を読むと、根本的に間違っているところが随所に見られて、特に僕がこれは間違っているだろうと思ったのは、いわゆる飛び込み系の営業しないために、会社のブランドを上げていこうというものでした。当然、営業をしなくても自社のブランドを上げれば、お客さんが自分から来てくれるというもので、それは考え方は実に正しい。ただ手段が、うわべだけのものとしかいいようがないことがけっこう目についた。特に社員への過度な優遇が会社のブランドを挙げるとなにか誤解をしてるようなのです。

例えば、会社に福利厚生として会社にBARを作り、社員は無料でお酒などを楽しむ事ができるようにしたということ。この場合、酒代の他にBARの従業員の費用も会社が当間のことだけど負担をするわけです。これはこういうおしゃれなBARのある会社ですよという評判を呼ぶために作ったんだそうです。

また、従業員も2年目からグリーン車が利用できたり、社員への待遇もちょっとやりすぎとしかいいようがない面があったり、賞与なども金融機関から借り入れて支払っていたり、知名度を上げるために過度の広告宣伝費を使うなど、これは潰れても仕方が無いなという、実に恐るべき会社でした。

本来ブランドというのは、信用力であり、その信用力の元になるものはその会社などの製品やサービス。ITで言えば、Googleは検索の精度が高いからブランド力があるし、AppleのブランドはiPhoneが実に使いやすいということからブランドが高いわけです。あとはMacにウィルスが来ないというのもブランドが高い要因だと思います。

ところが、この人材会社は中小企業向けの新卒採用のコンサティングという実にニッチな世界で勝負をしていているのですが、社長自身がその著書で告白しているように、かなり程度の低いサービスだったようです。ただし、知名度は高い。それは知名度を上げるべく、そこに費用を投下していたからです。しかし社長が自社サービスは詐欺まがいだと言ってるのだから、これはどういうことなんですかね。

でも、本来ブランドというのはそういうものじゃなくて、まず、製品やサービスがいかに優れているのかということが、まず第一であって、彼がやろうとしていたのはうわべだけでした。

僕の知っている新興のマンションのデベロッパーは、一部上場までしたけど、結局倒産した会社があります。この会社は一部上場するまでは実に元気な会社で、本社もホールにピアノがあって、ある時間になるとピアニストがピアノを弾き始めるというようなことをしていました。これはもちろん話題性を呼ぶものだと思うのですが、本業には全く不要なもので、例えば三井不動産や三菱地所がそういうことをするかというと、絶対にそういうことはしない。なぜならば、三井や三菱でブランドが出来上がっているからです。この場合信用力と言い換えてもいいと思うのです。ところが、この人材会社は会社にBARがあるというような話題性が優先されてしまってるし、彼自身がこのBARを自社のブランディングに活かそうというところがあり、それはやっぱり間違っていると思うのです。

知名度が上がってお客さんが何かを期待して来た時に、その期待に応えるのが当たり前のことで、それが期待以上だったら更にブランドは上がる。怖いのはこの失望させた時のことで、これで大きくブランド価値が下がります。いい例が、マイクロソフトで、WindowVISTAでユーザーに迷惑をかけて、次のWindows7でVISTAと全く逆のことをしたため、ユーザーの信頼を大きく損ないました。これは伝達スピードが早いインターネット時代においてはものすごく影響が大きい。

このようにブランドと信用というものは一対のものなんだけど、今後インターネットがますますインフラ化していくと、ブランドと信用力というものが、生活に大きく影響影響していくので、実に重要なものになっていきます。それはどういうことかというと、これらものが物を買う際の大きな指標になる。つまり、広告もそうだけど、それに併せて大きな影響力になっていきます。それはどうしてかというとインターネットがインフラ化して、伝達のスピードが早くなるし、今はTwitterとかFacebookというオンライン共有ツールがあるから、ある人が情報を流せば、それを多くの人が見る可能性が高いということで、このソーシャル化というのはもっともっと進んでいくと思うのです。

で、この会社の社長の本を読んだ感想は、こういうデタラメなことを告白して、どうしたいのかということです。この会社が母体となって当時の副社長が社長になって、また人材会社を始めていくら死んだけど、このバカ社長がこの企業に絡んでいる事自体、会社のブランドが落ちるんじゃないかなと、ひとごとながら心配をしています。

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